岩手県文化スポーツ部から代理店を通してご依頼いただき、岩手県内の世界遺産の模型を制作しました。
「つなぐ」がテーマの企画だったので、各遺産について、建物が作られた当時の様子と、現代の岩手県の様子の連続性がわかるようにデザインしました。
平泉の街並みを制作しました。
都市が作られた平安時代の様子を、現代の様子と比較しながら鑑賞できるように、平安時代と現代をそれぞれ制作しました。
再現したのは 2 km四方ほどの範囲です。
縮尺的に少し強引ですが、ブロックらしい雰囲気を楽しめるように人形を置き、人形を置いてもなるべく不自然にならないように建物の縮尺・デザインを調整しました。
寸法(各) 幅 1424 mm × 奥行 1808 mm × 高さ 約 450 mm
稼働していた当時の様子だけでなく、右手前部分で現代の様子を再現することで、昔、現地に大きな建造物があったことがわかるようにするとともに、高炉の断面が見られるようにしました。
細かいパーツを複雑に組み合わせて、炉の断面構造を緻密に再現しました。
寸法 幅 704 mm × 奥行 512 mm × 高さ 約 480 mm
現代の遺跡では当時の姿が復元展示されているので、現代と当時を明確に区別はせずに表現しました。
現地の中心の集落の様子に、右から順に「自然の活用」「埋葬文化」「住居と祭事」の 3 テーマを落とし込んで表現しました。
この 3 テーマは、世界遺産の認定理由となった要素です。
寸法 幅 912 mm × 奥行 464 mm × 高さ 約 290 mm
公募段階から代理店様に画像を提供し、代理店様・クライアント様・有識者の皆様との丁寧なコミュニケーションに努めました。
平泉・橋野鉄鉱山については、受託後により詳しく設計を行いました。
今回制作した模型は、レゴモデルビルダーの直江和由さんの『中尊寺 金色堂』と共に、平泉世界遺産ガイダンスセンターで特別展として展示されます。
展示に向けて、レイアウトや展示方法の提案も行いました。
平泉の模型は、平泉の町が見渡せる窓際に、現実と同じ方位で設置しました。
平安時代と現代の様子を見比べやすいように、2つを横に並べました。
場所の有効活用や費用に配慮し、奥側は空を模した壁、側面はアクリル、手前にはスペースを設け、作品を保護していただきました。
橋野鉄鉱山と御所野遺跡については、関連する常設展示の横に配置させていただきました。
制作場所から展示場所への輸送は、輸送中に比較的水平が維持され、積み替えによる破損リスクのない、カゴ台車のチャーターを利用しました。
平泉の模型は、各 12 分割で梱包して展示場所に送りました。
現場での最終組み立て後に、展示台と一緒に各 3 分割して運べるように、建物の配置などを分割しやすく作るとともに、模型を展示台にビス止めしました。
比較的小型の2作品については、アクリルケースを調達し、ケースごと輸送しました。
これら2作品については、輸送に備えて模型内部に角ナットを埋め込み、ケースのベース部分にボルトで固定しました。
制作期間 約 3 か月半(特急制作)